組合職員ブログ

2009年12月23日

取材メモから8 外国人介護研修生の1年

2009年12月22日 asahi.com

■資格取得に言葉の壁

お昼どき。車いすのお年寄りたちが囲むテーブルを順に巡って、食事のお盆を配る。その合間に、呼び出しランプがついた部屋に小走りで向かったり、ベッドで寝ている人を起こしに行ったり。エラ・ジュラエハさん(22)は、戸惑うそぶりも見せずに動き回る。

甲州市の特別養護老人ホーム「光風園」に1月、2人の女性スタッフが加わった。インドネシアから、介護福祉士を目指してやってきたエラさんと、ポピ・アルフィアトゥロフマーさん(23)。着任時の取材で「寒い」と山梨の第一印象を語っていた2人は今、二度目の冬を過ごしている。「やっぱり寒いです」。そう笑うエラさんの日本語も、だいぶ上達した。

入浴や食事の介助など通常の仕事は、先輩たちの指示がなくても、自分で判断して進められるようになった。「もう立派な戦力です」。主任生活相談員で研修を担当する守屋英一さんが言う。

2人は地元の大学を卒業し、看護師の資格を取った。しかし母国には資格を生かせる就職先が少なく、先生の勧めで来日を決めた。

アニメで知る日本は、親しみを感じる国だった。今は「ワンピース」というアニメ番組がお気に入り。「まじめで頑張りや」だと2人をかわいがる先輩たちと、休日に一緒に遊びに行くことも増えた。母国の家族とは、「携帯でメールをやりとりするから、大丈夫です」と、照れたようにほほえむ。

国内の労働人口が減るなか、初めて外国から受け入れた介護労働者が、2人を含むインドネシア人104人。県内で初の受け入れ施設となった光風園も「将来を見越した試み」(熊谷和正理事長)と期待を語っていた。

しかし、1年たって思いのほか高い「壁」も見えてきた。

介護現場で3年間の「実務経験」を積んだうえで国家試験を受けるのは、日本人の介護福祉士志望者と同じ条件。2年先には試験の日がやってくるが、「日本語が完全ではないので、まだ試験科目の勉強に入れない」と守屋さん。漢字の読み書きも難題だが、微妙な言い回しも理解できない。10月から専門の日本語教師を週1回招くことにした。

それでも、介護福祉士の国家資格は日本人でさえ合格率が50%前後。2人の受験はチャンスが1回きりで、落ちれば帰国となる。守屋さんは、試験が難しいとの風評が同期生らの間で広まれば、努力をあきらめてしまわないかと心配する。

2年後のことは多くを語らない2人。これからの目標を尋ねると、「悲しみとか喜びとか、利用者さんの気持ちを深く分かるようになりたい」と返ってきた。できたら資格をとってずっと日本で働きたい、と控えめに添えながら。

人材確保か技能研修か、その目的さえ議論が分かれたままスタートした制度。外国人の力をどう生かすか方針が定まらないなか、後続は相次ぎやってくる。県内でも今秋、フィリピン人2人が働き始めた。年明けにはインドネシア人が4人、新たに着任する。
posted by 元組合職員 at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 研修関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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