組合職員ブログ

2008年03月17日

日本の農業を支えているのは劣悪環境に耐え忍ぶ外国人研修生

本日のnikkeiBPnetに、莫 邦富の中国ビジネス指南として首記のコラムがアップされました。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/china/mo/080317_kensyusei/

詳細は上記リンクに譲るとして、ここで取り上げられている研修生の給与明細は、実際に現場に携わる者としても、本当にこのようにされているのであれば、制度を悪用されている悲しみとともに、怒りがこみ上げてきます。

最初に取り上げられている研修生(技能実習生?)の例と、当組合の研修生・技能実習生の例を比較してみます。


(研修生のケース)
研修生生活費:112,000円(70,000円)
家賃:55,000円(0円)
光熱費:実費(0円)
リース代:15,600円(0円)
残業代:300円(許可せず)
※他にも引かれて、毎月20,000円の赤字と書かれています。

(技能実習生のケース)
研修生生活費:112,000円(112,320円)
※埼玉県最低賃金702円×160時間で算出
税金・社会保険料:不明(約17,000円)
家賃:55,000円(0円〜20,000円)
光熱費:実費(0円 ※家賃に含める)
リース代:15,600円(0円)
残業代:300円(時給878円)


ちなみに、括弧内が当組合での支払明細となります。残業が無くても、手取りで75,000円以上、家賃負担がなければ10万円近い金額となります。職種は同じ農業です。

研修生に限らず、外国人の手を借りないと、製造業、特に農業では継続が難しいところが多数あることは承知しています。

日本人に正規の給料を払ったのでは赤字である、そもそも求人を出しても日本人は集まらない・・・などの理由で研修制度を利用しようとするところも多くあります。

当組合の組合員の例では、求人広告で毎年数十万円〜数百万円かけても、面接に一人来るか来ないかという状況で、会社で仕事をしてくれる研修生に感謝している事業主さんばかりです。

外国人だから安くこき使ってやろうなどと考えている人は一人もいませんし、逆に丁寧に教えれば、日本人以上の生産性を発揮してくれるので、そうして会社が得た利益の一部を、帰国時に報奨金として渡している会社もある位です。

なので、この記事に取り上げられているような事例があるとはにわかには信じられないのですが、新聞報道や研修関連の講習会に出席すると取り上げられるため、少数ながら実在するのでしょう。

日本はこの先、少子高齢化は避けられず、また、アメリカのように白人(=日本人)は綺麗なホワイトカラーにしか就業せず、黒人(=出稼ぎ外国人、研修生含む)は現場作業を低賃金で行うという構図が出来つつあるように感じます。

製造業の生産性を保つためには、今後外国人の活用は避けられなくなっています。

そんな中、外国人だからという理由だけで不当な低賃金・過重労働を押しつけたのでは、日本に働きに来ようという外国人もいなくなってしまうのではないでしょうか。

「日本の食糧の自給率を高めよう、日本産農産品を食べよう、と簡単に言える状況ではない日本の現状に日本人は気づくべきだ。」

と結ばれていますが、農業に限らず、自動車部品を作る下請け工場や建設業の孫請け曾孫受けなども状況は同じです。

若い日本人の就業意識を変化させることと、外国人労働者の真っ当な活用とは、車の両輪のように、今後日本が先進国として発展を続けていくには、どうしても必要なことのように思います。
posted by 元組合職員 at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 研修関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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